BASS入門



基本編
はじめに
どんな魚?
ルールとマナー
バス用語辞典

道具編
必要な道具
竿とリールの話
ルアーの種類と
  ラインの結び方

実釣編
釣れない時の
  10箇条+
ポイント
四季のバス攻略法



サイトマップ
四季のバス攻略法
最も重要なのは魚の生態を知ること

名人、達人、プロ・・・と言われる人達は、どんな悪条件の中でも魚たちとの出会いを可能にする。

釣果を左右するテクニックとは、フィッシングタックルの使いこなし方、ルアーやエサの熟知とそれらの生かし方、ポイントの選定などがあげられ、これらの違いがテクニックの差ともいわれる。しかし、ターゲットとなる魚の生態を知ることがフィッシングでは最も重要なことを、彼らは知っている。


『釣りを上手になりたい』。これは、釣りを始めた人なら誰でも思うこと。長く続ければ続けるほど、その思いも強くなってくるはずだ。 最初『魚は、朝マズメと夕マズメがよく釣れる』という程度の知識だけでもいいかも知れないが、釣りは奥が深い。バスやトラウト類のように賢い魚を相手にするとなると、それだけの知識は太刀打ちできないことか分かってくるだろう。

 より多く、より大きな魚を釣るには、より多くの経験と知識が必要になってくる。そして、今までの釣りよりワンランク上を目指すのなら、魚の生態を知ること重要なヒントとなる。ターゲットをよく知ることで、その攻略法が自ずと見えてくるはず。




水中の春はゆっくりと訪れる

 ー年を通じて最低だった水温が、徐々に上がり始める春先には、多くのバスが次第に流れ込みや浅場に顔を見せ始める。大型のバスも、水温の安定する深場の越冬場所から浅場のスポーニングエリア(産卵床)へ向かうルート上の、水深2〜3mのエリアで釣れ出す。

この時期、こういったエリアで釣れるのは、スポーニングを控えた産卵準備の大きなバスがほとんどだ。 
エビ類や小生物を追っかけていたバスも、この時期になると積極的に魚を追い始める。湖によって差はあるが、フィールド全体の水温が上がり出すと、スポーニングを控えたバスもそうでないバスも、エサとなるべイトフィッシュを大胆に求めて、さまざまなエリアに顔を出すようになる。
スピナーべイト、バイブレーションプラグ、シャローランニングのクランクべイトで、手返しよく広く探っていきたい。

 一般的に、バスは水温が16℃を越えたあたりで産卵するといわれ、湖の水温が早く上昇する地域ほど産卵は早いが、5月から6月ごろがスポーニング(産卵〉の時期となる。プリスポーニングからアフタースポーニング(産卵産〜産卵後)までを含めた時期をスポーニングシーズンと考えるなら、約4カ月、つまり1年の3分の1はバスを釣るのにスポーニングを踏まえたパターンを組む必要があるといえる。

 スポー二ングシーズンはスポー二ングエリアというキーポイントがあり、バスが何を目的にしているかがはっきりしているので、パターンフィッシングの勉強には一番いいシーズン。そして、この時期のバスの動きを理解することは夏場、さらには冬場のパターンにも関連してくることになる。

 バスのスポーニングエリアとしては、水深1〜1.5mで底質か粗い砂か小石、岩などが入り混じったところが量適で、泥底やふかふかの砂底は好まない。湖にはスポーニングに適した、ウイードやストラクチャーのからんだシャローが必ずあるはずだ。どのようなシャローがバスにベストな場所なのかを見分ける方法は知っておきたい。バスの好むポイントを知ることは、バスに近づく近道です。

■スポーニングエリアへと向かうバス達

 スポーニングシーズン前半、つまり、3月下旬〜4月上旬のバスの動きは、越冬場所からスポーニングエリアへと向かっている。春本番になると湖の水温が上がり始めるのでバス達は越冬場所からシャローへ、スポーニングエリアへと移動する。
ところが、それ以前に約2週間、バス達がスポーニングエリアに入る前に待機するポイントがある。

例えば、スポーニングエリアの水深が1mだったとすると、そこに上がる手前で水深が落ちている場所、小さなドロップオフにバスは付く。
 この時期、ポイントに付いているバスは、積極的にルアーを追うので水深に合わせたクランク、スピナーベイトで狙うのがいい。
 ただし、寒冷前線通過後の冷え込みや、本当に産卵間近で
スローになったバスを釣るには、それに合わせたスローな釣りをする必要がある。
また、産卵を終えたあと、オスのバスは産卵した卵を守るためにスポーニングべッドを守っている。

このスポーニングべッドにはり付いた状態のオスのバスを釣ることは、バスの保護のこともあり、すすめられない。もっとも、仮にねらったとしてもなかなかロを使わないので、時間のむだになることが多い。
ただし、スポーニングべッドを探し、どういう状態なのかを目で見て、その近くで釣ったバスが太っているかやつれているかで、そのエリアがプリスポーニングかアフタースポーニングかパターンを絞っていくことができるので、勉強のためにも探してみるといいかも。

 スポーニングはフィールド中で一斉に行なわれるのではなく、水温が上がりやすいエリアから順番に始まる。この水温上昇の早い場所と遅い場所のズレは約3週間から1ヶ月あるので、狙うフィールドのズレを知っている人は、コンディションのいいバスをキャッチできる。

 産卵直後のバスはスポーニングエリアのすぐ近くのストラクチャーにぴったり付くか、もしウィードがあるならその中に入ってしまう。体力を消耗しているのでなかなかルアーを追ってくれない。
 バスの体力が回復してくる時期はべイトフィッシュの動きにつられ、水通しのよい場所へと移動してしまう。
そのため、天候や水温、水質、大きい湖なら濁流といったさまざまな要素を考慮して、釣りを組み立てていかなければいけない。




水中の魚だつて夏バテになる?

 梅雨の間は、少しずつ上昇していた水温が梅雨明けから一気に上昇し始める。水の温度が上がると、そこに溶け込む酸素の量(溶存酸素量)も減ってくるのだが、バスにとってこの水温が一気に上がるということは、水の中がいきなり酸欠状態になるということ。

 7月中ごろは、このためバスの活性はガクンと下がってしまうが、8月に入ると徐々に活性は戻ってくる。 夏場のバスフィッシングではシェードとかディープの釣りがメインと思われがちだが、そんな中で一番チェックしたいポイントは、川や用水路の流れ込みや湧き水などの酸素を多く含んだ新鮮な水のある場所。

 トーナメントの表彰台に立てるようなバスをキャッチできる可能性の高い場所が、ナチュラルレイクでもリザーバーでもそうだが、湧き水などの流れ込み。その流れ込みに生活排水が混ざっていればべイトフィッシュも集まるし、そこに強い日差しをさえぎるウィードなどのストラクチャーがあればランカークラスが潜んでいるはず。なぜなら、大きいバスほど、バス自身が過ごしやすい多くの条件を兼ね備えたいいポジションを押さえるだけのカを持っているからだと言えるでしょう。


秋のバスは行動も気まぐれ

 秋になると、秋雨前線の活動などで水温が下がり始める。それと同時に水中の酸素量も増えるため、バスの活性がまた上がり出し積極的にルアーにアタックし始める。バスにとっては適水温域が広いので、エサとなるべイトフィッシュが集まつていればどこまでもついていってしまうのがこの季節の特徴だ。
最近のバスフィッシング理論でいわれる『バスはべイトフィッシュを追って回遊する』ということも、釣りを組み立てていく重要なファクターとして考えていかなければならない。

 秋というとバスが一番釣れるシーズンと思われがちだが、9月〜11月上旬の約3カ月半の問すっと釣れ続く訳ではない。
結論からいうと、よく釣れるのは10月中頃で、残暑の頃は真夏より強い目差しで急にタフッてしまうし、気温が下がり始めると起こるターンオーバーで湖の水質が最悪になりバスは沈黙してしまう。

 11月始めの湖で問題となるのが、フォールターンオーバーといって湖の上層と下層の水がひっくり返って入れ替わる現象だ。秋の冷え込みや冷たい風で湖面が冷やされると、上層の水温の方が下層より低くなる現象が起こる。これによって、低い水温の方が比重が大きいので上層の水と下層の水で対流が起こって入れ替わり、底に溜まっていた泥が舞い上がってしまって濁りもひどく水質が一時的に悪くなってしまう。それと同時に湖の水温も下がり、フィールドには高いプレッシャーがかかつてしまう。
しかし、一度に湖全体がターンオーバーするわけではなく、風向きなどでターンオーバーしていないワンドを探し出すことがカギとなる。



冬のバスは3タイプある

防寒着が必要になってくる11月中準頃バスのいる湖の中はまだまだ秋のバターンが通用してしまう。なぜなら、湖が大きければ大きいほど水温が下がるのに時間がかかるのでズレが生じる。

 しかし、このズレに気付かないアングラーは多い。水温が10度を割り本格的な冬になる12月末〜1月前半が一番釣りづらいシーズン。ここで覚えていてほしいことは、真冬のバスは、ディープのストラクチャーから動かないで冬を越すバスとディープとシャローを行き来するバス、シャローに居続けて冬を越すバスの3種がいること。このうち、ディープに居続けるバスを釣るのが最も釣りにくい。

ラバージグやメタルジグなどでのバーチカルな釣りがメインとなるが、もしバスがたまっているポイントに当たれば爆釣することもある。次に、ディープとシャローを行き来するバスは、ディープに居るときは全く食い気を出さないが、水温が少しでも上昇するとフィーディングのためにシャローに出てくる。

南に向いた場所で北風を避けられ、底が黒っぽい小石や岩などがある所を探してみよう。シャロークランクやミノー、スビナーべイトをスローリトリーブすると反応するはず。

 最後に、シャローに居続けて冬を越すタイプのバスだが、まず水深が30cm〜1mで北風や波の影響を受けないところで、そこにへビーカバーのあるところがポイント。その他に『意外』という言葉が付くところで大型が釣れることもある。意外なほど浅いアシ原、意外なほど入り組んだブッシュ、意外なほど狭いテトラポットや積み石の穴など…。

これらの場所に湧き水でもあれば確実にバスはいる。どんな季節でも、食い気のあるバスをキャッチするための基本は同じ。バスが必ず付く居心地のいいポイントを探すことが重要だということを忘れないでほしいです。